関東

幸せになれるチョコレート

私たちを幸せな気分にしてくれるチョコレート。でも、その裏側には苦い現実があります。今、世界的に問題視されているのが、チョコレートの原材料であるカカオ農園での児童労働。多くは10代前半の少年たちで、カカオ生産国に隣接する貧しい国々から人身売買によって連れ去られた子どもたちも少なくありません。「チョコレート」が何であるか知らずに奴隷となんら変わらない状態でカカオ栽培をする子どもたちがいるのです。

最近日本でも「フェアトレード」という言葉が浸透しはじめましたが、今回ご紹介するチョコレートは、そんなフェアトレードのもの。適正な取引の上で作られたチョコレートです。これらのチョコレートは農薬や化学肥料を使わずに身体にも地球にも優しい農法で作られたカカオを使っているので、自然の生態系はもちろん、作る人にも、食べる人にも優しいチョコレートです。さすが素材にこだわっているだけあり、カカオのフレッシュな香りが鼻腔に抜け、カカオがフルーツであることを思い出させてくれます。

オーストリアのメーカーであるzotterのチョコレートは、アーティスティックなパッケージが印象的。「ゾッター ラブーコシングル」は、シングルビーンズカカオの質の高さを堪能することができる、チョコ通のためのチョコバー。カカオの産地別、また含有率の違いによる味のバリエーションが楽しめます。また、zotterのトップラインである「ゾッター ハンドスクープバー」は、有機栽培のナッツやフルーツ、スパイスや果実酒などとカカオを大胆に組み合わせた、オリジナリティ溢れるチョコレート。独自のチョコレート世界を構築しています。

ベルギー生まれのtohiは、全ての製品に有機認定の原材料を使い、大豆レシチンや乳化剤、添加物不使用のチョコレートです。ほのかな甘味とカカオのアロマを楽しめるハイカカオチョコレート「オーガニックダークチョコレート カカオ74%」は、本物のビターを求める人にぴったりの味わいです。香ばしい塩アーモンドが効いた「オーガニックダークチョコレート 塩アーモンド」やアップルの甘みとシナモンの香りが刺激的な「オーガニックミルクチョコレート アップル&シナモン」など全部で5つのフレーバーが楽しめます。

1852年創業のスイスチョコレートの老舗、マエストラーニ社のチョコレートは全部で13種類という豊富なフレーバーの板チョコのほか、ヨーロッパで幸せのシンボルとされているテントウムシのチョコレートなどがラインナップ。今シーズンの新作「クランベリー&チリ チョコレート」は、ビターチョコレートにフルーティなクランベリーとスパイシーなチリが香る個性的な一品です。


今回ご紹介した3つのブランド以外にも、この季節は各社のフェアトレードチョコレートが出そろっています。というのも、フェアトレードチョコレートは、乳化剤などを使用していないものがほとんどで、暖かい季節には日本には出回っていないのです。この機会に是非みんなが幸せになれるチョコレートを味わってみてはいかが?
ゾッター  ラブーコシングル

ペルー産カカオ豆のミルクチョコレートやダークチョコレート、ブラジル産カカオのビターチョコレートの他、ストロベリー、そしてフルーツヨーグルトなどが揃う。「ゾッター ラブーコシングル」各430円。


オーガニックチョコレート

tohiのざくざくとしたナッツの食感が楽しい「オーガニックダークチョコレート ヘーゼルナッツ&コーヒー1%」とピュアな味わいの「オーガニックミルクチョコレート カカオ38%」。各599円。


マエストラーニ社のチョコレート

シックな装いのマエストラーニ社のチョコレート。左からココナッツクリームがサンドされた「ココスクリームチョコレート」、クランチアーモンド入り、Demeter認証を取得した「アーモンドチョコレート」、オーガニックエスプレッソコーヒーが入った「エスプレッソチョコレート」、新作の「クランベリー&チリ チョコレート」。各750円。「てんとう虫チョコレート」242円。


ゾッター  ハンドスクープバー

一つ一つのレイヤーを手作業で丁寧に仕上げて作る「ゾッター ハンドスクープバー」各950円。写真のマール・ド・シャンパーニュ、ブラックチェリー・バニラのほか、全部で9種類のフレーバーがある。


ゾッター  バレロス

ナッツやドライフルーツをチョコレートでくるみ、ココアパウダーやフルーツパウダーでコーティングした「ゾッター バレロス」。手前はカボチャの種、奥はサワーチェリー。それぞれ1100円(100g)。


販売店舗詳細

●zotter
問い合わせ:アイツィンガー・ジャパン社 zotter.japan@gmail.com

※zotter取扱店はヒルサイドパントリー、GAIA、WINE MARKET PARTYとなります。

取扱店:ヒルサイド パントリー代官山
住所:東京都渋谷区猿楽町18-12(ヒルサイド テラスG棟B1F)
ホームページhttp://www.hillsideterrace.com/shop/shop_g_pantry.html

取扱店:GAIA
住所:お茶の水店:東京都千代田区神田駿河台3-3-13 代々木上原店:東京都渋谷区西原3-23-6 プラド1F 下北沢店:東京都世田谷区代沢4-44-2
ホームページhttp://www.gaia-ochanomizu.co.jp/

取扱店:WINE MARKET PARTY
住所:東京都渋谷区恵比寿4-20-7(恵比寿ガーデンプレイス内)
ホームページhttp://www.partywine.com/


●tohi
問い合わせ:株式会社むそう商事 http://www.muso-intl.co.jp/


●マエストラーニ
取扱店:有限会社オーガニックフォレスト 
問い合わせ:TEL:03-5727-1213  
ホームページhttp://www.organicforest.co.jp
松永真美プロフィール

松永真美(まつながまみ):ライター&エディター

湘南在住。フリーランスのライター&エディターとして、食やライフスタイル、環境などの記事を手がける。和菓子、豆を使ったスイーツには目がない。


関西

スイーツとエコの関係

企業のコマーシャルはもちろん、車を買って、家電を買ってと、2009年は日本中で「エコ」という言葉を耳にしない日はない、一年でした。環境意識が高まる中、スイーツの世界においても、身近なことから始めようと取り組みを開始するショップが出てきました。芦屋に店を構えるドイツ菓子店「コンディトライ シュターン」です。

1989年から14年間ドイツで修業し、現地で製菓マイスターの資格も獲得した谷脇正史さん。2004年に開店し、看板商品であるバウムクーヘンを初めとするドイツ菓子の数々で、一躍人気店となりました。

「僕がドイツに暮らしていた頃、水を買うと価格の中には瓶の代金が含まれていて、それを返却すると数十円程度の現金が返金される仕組みが出来ていました。80年代の話ですから、そう考えると日本はリサイクル後進国だなと思いますよね」と谷脇さん。

シュターンでは約3年前から、割れた陶器を再生して作った陶器のプリンカップを使用しています。これはNPO法人日本ワンディッシュエイド協会の呼びかけに賛同してのことでした。

カップを店が買い、商品を販売する。お客が容器を返却に来ると、代金のうち30円を返金するという、デポジット制をとっています。店側はそれを洗浄し再利用することで、ゴミの削減に繋がるというシステムです。

「周りは高級住宅街ですから、最初はお客さんが賛同してくれるのかなと、少し心配したんです。でも皆さん意外とカップの返却に来てくださるんですよ」と、奥様の典子さん。現在回収率は20~30%程度。返却しなくても、お客さんにリサイクル意識が伝わり、自宅で洗って食器として使っているという人も多いそうです。

また、お二人の取組みはこれだけではありません。昨年夏に、以前からの念願であったオリジナルのエコバックも制作。ケーキ箱も入るサイズにしたいと、マチありの丈夫な仕立てです。530円で販売していますが、そのうちの30円はやはりNPO団体に寄付するそうです。

このエコバックをはじめ、他店のエコバックや紙袋などを持参し、簡易包装に協力した場合も、スタンプカードに捺印されます。スタンプがたまると500円の金券として使えるようにしました。これも、店を訪ねるお客様に少しでも環境意識を持ってもらえればと自主的に始めたことなので、店側の利益はありません。

「エコバックを持ったり、カップを捨てない親の姿を見て育つ子どもたちは、それが当たり前の行為として身に付くでしょう。口で言うより、身近な大人が行動で示すことが、未来の環境意識に繋がるのかなと思っています」。そう語る谷脇さん夫妻の笑顔が印象的でした。そんな二人の作るスイーツは、やはり優しい味わいに満ちているのです。

クレームカラメル350円。以前使っていたプラスチック製のプリンカップに比べると原価は高いけれど、陶器の熱伝導のせいか、よりなめらかな質感に仕上がり、美味しくなった気がするんです、と、典子さん。関西のほかのパティスリーでもこのカップを使う店が増えている。



生ケーキもドイツ菓子が主体。左からチーズケーキの「ケーゼ」350円。全粒粉を使用。チョコバナナクーヘン、リンゴのクーヘン、ランドクーヘン(ブルーベリー)各320円。



各地からファンが訪れるバウムクーヘン。バターの風味としっとりとなめらかな食感。箱や紙袋など包装もできるだけ簡易で済ませたいと提案している。



谷脇正史・典子さんご夫妻。二人の和やかな空気に惹かれ、おしゃべりに立ち寄るご近所さんも多い。


店舗詳細

名称:コンディトライ シュターン/Konditrei Stern
住所:兵庫県芦屋市東山町1-10
電話:0797-34-5673
営業時間:10:30~19:30 休火曜、水曜(祝日の場合は営業)
三好彩子(みよしあやこ)

三好彩子(みよしあやこ):フードライター&エディター

フリーランスのフードライター&エディターとして、食雑誌を中心に活動中。
スイーツでは、コンビニやスーパーに並ぶ一般流通菓子から、カフェ・気鋭のパティスリーまで、話題の新作は欠かさずチェック。ショコラをこよなく愛する。神戸市在住。


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