milano

Botturaシェフお得意の分解再構築デザート

“2009年世界ベストレストラン50”で第13位、イタリアン・レストランとしてベスト堂々第1位に選ばれた「オステリアフランチェスカーナ」。少々交通の便の悪いモデナにあります。

オーナーシェフのマッシモ-ボットゥーラ氏はインテリで真面目と評判はよく、今どきのスターシェフと一線を画しています。メニューは、クラシック伝統モデナと創作の2種類。どちらもシェフのアイデアが満載です。1皿ごとサービスされる料理は、革新的でしかも美味。

肝心のデザートは「ズッパ イングレーゼ カルド エ フレッド」。
直訳すると”英国風スープ、温製と冷製”。マジェンタピンク色のアルケルメスと呼ばれるリキュールを含ませたスポンジケーキに、マラスキーノ風味の卵クリームを重ねて作られたイタリア全国のレストランで供される典型的なドルチェです。それだけにこの店でどのように供されるかが楽しみですが……。

それは予想をはるかに上回るヴィジュアル―インパクト。
まず、濃いピンク色の透明ゼリーのフィルムが皿全体を覆い尽くし、つややかな光をたたえています。目を凝らすとゼリーの下にココア味のケーキと卵クリームがここに隠されています。ボットゥーラ氏は、イタリア人なら誰もが知る、クラシックなドルチェを1度分解し、組み立て直したのです。名づけて“分解再構築デザート”。実は彼の得意のテクのひとつで、料理にも思う存分このテクを駆使しています。想像をかき立てられつつ、分解要素を口と頭で再構築し、しかも裏切らない。

このドルチェのコンセプトは? と聞くと“僕は子供の頃、アルケルメスが大嫌いだった。だからこうしてフィルムにしてしまえば、あの味が嫌いな人はめくって取り外して食べられる。大人にも子供にもパーソナライズしていると言うわけです。”
なんともユーモラスな発想のドルチェです。ちなみに使用のアルケルメス・リキュールは、フィレンツエのあの有名な、サンタマリア・ノヴェッラ薬局のものだそうです。
オステリアフランチェスカーナ『ズッパ・イングレーゼ カルド エ フレッド』

(左)『ズッパ・イングレーゼ カルド エ フレッド』べろりとしたゼリーフィルムのサイバーなインパクトに驚愕、そして”アート&ミニマルな感覚にうっとり。Photo: Per-Anders Jorgensen
(右)『オステリア・フランチェスカーナ』のオーナーシェフ、マッシモ・ボットゥーラ氏。法学部に在籍していたそう。Photo: Per-Anders Jorgense



レストラン外観
モデナ市内にあるBotturaシェフのレストラン。歴史を感じる古い町並みの中に突然現れるモダンイタリア。Photo: Paolo Terzi


店舗詳細

名称:Osteria Francescana オステリアフランチェスカーナ
住所:Via Stella,n.22 Modena
電話:0039(0)59-210118
休日:土曜昼、日曜日12月24日から1月6日(2010年)
神林充香

神林充香(かんばやしみつか):グルメライター

ミラノ在住19年。学生時代のグルメ好きが嵩じ今やイタリアのレストランガイドブックに寄稿。歴史と風土に根ざしたイタリアの伝統食、食材に尽きない興味が。イタリア全国オリーブオイル試飲員協会メンバー、国立記者協会、外人記者クラブ会員。皆様のご意見ご要望をお知らせ下さい。


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