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「バターじゃないの?」〜南イタリアのヘルシーなケーキ〜

イタリアの踵に位置するプ-リア州レッチェ市の郊外に、サンピエトロ・イン・ラーマという、まるで時間が止まったかのような、いかにも南イタリアらしい風情の小さな町があります。そこでたまたま宿泊したB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)※1での小さな発見をレポートします。

朝起きたらB&Bの共有キッチンのテーブルの上に焼きケーキが置いてありました。おお、サービスがいいなあと思い、オーナーのフェデリカ・リッツオさんに尋ねると、彼女の手作りケーキということ。レシピを聞くと、これが何とオリーブオイルで焼き上げたケーキだったのです!なるほど、しっとりながらも軽いし何か違う…と思っていたら、バターを全く使用していないのだそう。

確かに、プーリア州はイタリア第一のオリーブオイル生産地であり消費地でもあります。フェデリカさん曰く、「このあたりでは料理には勿論、お菓子にもバターは使わないのじゃないかしら?家庭で作るお菓子は皆オリーブオイルを使ってるはずよ。」オリーブオイルならどんなタイプでもいいの? という質問には、「そうね、使い分けはあるわ。デリケートな風味のオイルはムースやクリームを作る時にも使うわよ。上質のエキストラヴァージンオイルを使うのがコツよ。」

地元のお菓子屋さんにも尋ねてみると、タルトの生地やクッキーにも使用しているそう。もちろん田舎らしくラードを使ったお菓子もありますが、基本、皆さんは軽い味がお好みのよう。

日本では美味しいお菓子の表現に「甘くなくて美味しい」とありますが、彼の地では「重くなくて美味しい」なんですね。そういえば、オリーブオイルたっぷりの野菜中心の料理は山盛りに食べても全然もたれなかった…さすが地中海ダイエットの本場。頻繁にバターを使用する北イタリアの者としては、南北に長いイタリアならではの食文化の多様さを再認識しました。

良質のエキストラヴァージンオイルはポリフェノールの含有量も高く、抗加齢効果の他、悪玉コレステロールも減らすと言われ、ヘルシーそのもの。健康のために毎日かかせない機能食品ですね。



☆フェデリカ風2色味ケーキのレシピ&作り方☆

(材料)
全卵3個、グラニュー糖150g、薄力粉300g
EXVオリーブオイル60ml、牛乳80/90ml、
製菓用イースト1袋(16g)、柑橘類の皮少々、
カカオ粉80g、シリコン型

(作り方)
卵を泡立て器でクリーム状にし、オリーブオイル、牛乳、柑橘類の皮、薄力粉を入れ、ヘラなどでゆっくり混ぜ合わせる。つぶつぶが消えたらイーストを混ぜる。半量をケーキ型に入れてから、残り半量にカカオ粉を混ぜて上から型に注ぐ。あらかじめ温めたオーブンにすぐに入れて、約220度で20分程度焼き上げる。(アルミ型なら約30分)

しっとりさっぱり。かすかに新鮮なオリーブオイルの青い香りがするような……。油臭さは一切ありません。



フェデリカさんが使っていたのは、カリカートさんのオイル。ドルチェの種類により使い分ける。四角いボトルはデリケートな風味で、ムース作りに最適。左の壷型ボトルは一番絞りの上澄みオイルで限定品。”毎朝スプーン1杯カフェと一緒に”ですって。



(左)フェデリカさんが言うには、ちょっと焼色が付き過ぎたそう。「オリーブオイルを使うと仕上がりが軽くてさっぱりするから好き。」
(右)創業1815年、フランチェスコ・カリカートさんの広大なオリーブ園。186cmの長身が小さく見える、樹齢300年を越す巨大なオリーブの樹。今は新オリーブオイルの収穫の季節なのです。

※1 B&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)
ヨーロッパ圏に多くみられる、宿泊と朝食の提供を料金に含み、比較的低価格で利用できる宿泊施設。朝食は館内のダイニングルームで取り、パン・シリアル、さらに卵料理やベーコン、肉・魚料理・野菜など、種類に富んだ朝食を供する。

店舗詳細

名称:B&B「Li Traini」
住所:San Pietro in Lama (LECCE)
問い合わせ:info@litraini.it
名称:オリーブ園「Azienda Agricola CARICATO」
住所:San Pietro in Lama (LECCE)
問い合わせ:caricato@caricato.it
神林充香

神林充香(かんばやしみつか):グルメライター

ミラノ在住19年。学生時代のグルメ好きが嵩じ今やイタリアのレストランガイドブックに寄稿。歴史と風土に根ざしたイタリアの伝統食、食材に尽きない興味が。イタリア全国オリーブオイル試飲員協会メンバー、国立記者協会、外人記者クラブ会員。皆様のご意見ご要望をお知らせ下さい。


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