旬のイチゴ、イチゴの旬
いよいよ春の到来を告げるイチゴの初出荷!なんてイタリアでは聞いたことがありません。はたしてイタリアのイチゴに旬はあるのか?イタリアのパティシエ達はどう考えているのでしょう?
リゾートホテル1711のシェフ兼パティシェのアルベルト・ヴィターレさんに尋ねると、「もちろん食材は何でも季節のものに限るけれど、イチゴに関しては風味といい見かけの可愛さといい、デザート作りには年間通して欠かせないもの。ホテルには自家果物園があるので春先に少量ですがイチゴが収穫できます。市販イチゴよりは見かけが劣るので潰して使いますが、香りはいいですよ。」確かに新鮮でしょう。旬イチゴへのこだわりについては仕方ないという考えのよう。
日本人的には原産地が気になりますが、市場に出回るイチゴは本当にイタリア産なのでしょうか?実は、冬期は特に温暖なスペインやモロッコからの輸入に頼ってるところが大きいようです。今冬はスペインの悪天候のせいでイチゴの輸入量が激減とか。そういえばお菓子屋さんのショーケースで目立っていないような気がします。木イチゴとのミックス飾りにするなど、イチゴの全体量が少なくなっています。
しかし季節を問わないイチゴは、いつでもどこでも容易く入手できる安定した素材配給面で評価できる一方、希少価値性に欠け目新しさもなくなるリスクはないのでしょうか?オーストラリアとスイスに国境を接する、空気も水もきれいな州で知られるイタリア北東部トレンティーノ・アルトアディジェ。そこでイチゴをはじめ、カシスや木苺などの小果実を育てる栽培者1200人からなる組合、サンタ・オルソラ社にお話を伺うと、生産量の40%以上がイチゴ栽培なのだそう。
風味の似たサンタとダルセレクトの2種限定で生産し、3月から12月までの殆ど年間を通じた安定供給と、100%メード・イン・イタリー製がウリで国内のスーパーや市場に出荷しています。イタリア人は”旬”よりも生産国にこだわるのだそうです。そういえばイタリアのスイーツには、日本ほど季節感が反映されていないような・・・。
我らが日本国には茶の湯の文化を背景とする茶菓子の文化があります。あの手のひら半分にも満たないコンパクトな宇宙に四季折々の風情を表現していく、という驚愕の凄技DNAと感性が当然洋菓子作りにも生かされるわけです。そこは文化の違い、とでも言っておきましょう。
西欧でコンフェットゥーラ(ジャム)が発明された理由は形を変えて旬のものを閉じ込め、季節以外にも楽しめるというコンセプトではなかったかと思うのですが。無いなら無い、では我慢できない人間の尽きない欲望か? でも果物から季節感が薄れていくのは少々つまらないようでもあります。
リゾートホテル1711のシェフ兼パティシェのアルベルト・ヴィターレさんに尋ねると、「もちろん食材は何でも季節のものに限るけれど、イチゴに関しては風味といい見かけの可愛さといい、デザート作りには年間通して欠かせないもの。ホテルには自家果物園があるので春先に少量ですがイチゴが収穫できます。市販イチゴよりは見かけが劣るので潰して使いますが、香りはいいですよ。」確かに新鮮でしょう。旬イチゴへのこだわりについては仕方ないという考えのよう。
日本人的には原産地が気になりますが、市場に出回るイチゴは本当にイタリア産なのでしょうか?実は、冬期は特に温暖なスペインやモロッコからの輸入に頼ってるところが大きいようです。今冬はスペインの悪天候のせいでイチゴの輸入量が激減とか。そういえばお菓子屋さんのショーケースで目立っていないような気がします。木イチゴとのミックス飾りにするなど、イチゴの全体量が少なくなっています。
しかし季節を問わないイチゴは、いつでもどこでも容易く入手できる安定した素材配給面で評価できる一方、希少価値性に欠け目新しさもなくなるリスクはないのでしょうか?オーストラリアとスイスに国境を接する、空気も水もきれいな州で知られるイタリア北東部トレンティーノ・アルトアディジェ。そこでイチゴをはじめ、カシスや木苺などの小果実を育てる栽培者1200人からなる組合、サンタ・オルソラ社にお話を伺うと、生産量の40%以上がイチゴ栽培なのだそう。
風味の似たサンタとダルセレクトの2種限定で生産し、3月から12月までの殆ど年間を通じた安定供給と、100%メード・イン・イタリー製がウリで国内のスーパーや市場に出荷しています。イタリア人は”旬”よりも生産国にこだわるのだそうです。そういえばイタリアのスイーツには、日本ほど季節感が反映されていないような・・・。
我らが日本国には茶の湯の文化を背景とする茶菓子の文化があります。あの手のひら半分にも満たないコンパクトな宇宙に四季折々の風情を表現していく、という驚愕の凄技DNAと感性が当然洋菓子作りにも生かされるわけです。そこは文化の違い、とでも言っておきましょう。
西欧でコンフェットゥーラ(ジャム)が発明された理由は形を変えて旬のものを閉じ込め、季節以外にも楽しめるというコンセプトではなかったかと思うのですが。無いなら無い、では我慢できない人間の尽きない欲望か? でも果物から季節感が薄れていくのは少々つまらないようでもあります。

(左)“イチゴのグラッセ”(新鮮イチゴの砂糖がけ)キュート&シンプルな美味しさ。(2月号「La Viscontea」特製)
(右)「Tavola del Conte」のイチゴのムース。自家製ジャム、
イチゴゼリー、スポンジ台の3段重ね。周囲のイチゴはバーナーでキャラメル仕立てに。

(左)シェフ&パティシェのアルベルト・ヴィターレさん(42歳)。
(右)サンタ・オルソラ社工場内イチゴの包装過程。出荷中のイチゴに傷をつけない箱にも工夫が。(foto提供>S’Orsola S.C.A.)

トレント市郊外、組合員のイチゴの栽培風景。サン・マルティーノ山渓を背景に。(foto提供>S’Orsola S.C.A.)

サンタ・オルソラ社の直接地面につかない栽培法で農薬も最小限の使用で済み、厳しい管理の元でメイド・イン・イタリーのイチゴの品質は年間保証付きだそうです。
店舗詳細
リストランテ:「Tavola del Conte」
電話番号:039-9920-918
営業時間:12:30~14:00/20:00-21:45(L.O) 無休
電話番号:039-9920-918
営業時間:12:30~14:00/20:00-21:45(L.O) 無休


神林充香(かんばやしみつか):グルメライター
ミラノ在住20年。学生時代のグルメ好きが嵩じ今やイタリアのレストランガイドブックに寄稿。歴史と風土に根ざしたイタリアの伝統食、食材に尽きない興味が。皆様のご意見ご要望をお知らせ下さい。(写真: パッケージングの達人、オルネッラさん)





