San Francisco

フレンチとイタリアンが融合した個性的なケーキ 〜Masse's Pastries Berkeley、 CA〜

サンフランシスコからベイブリッジを渡った北に位置するバークレイの街に、うわさの小さなケーキショップがあります。ローキー(比較的地味で商業的でない)ながらハイクオリティーなこの店は、地元の人なら誰でも知っています。しかし、交通の不便さもあり、サンフランシスコでは知る人ぞ知るという存在で、観光客はほとんど見かけません。それがこの店の特徴でもあり良さでもあります。オーナーパティスリーのポールさんと奥さんのマーシャさんはフレンドリーで、お客さんとの会話もまるで家族のように暖かい雰囲気です。客席は18席くらいなのですが、このこぢんまりとしたサイズが通りにマッチ。朝は焼きたてのクロワッサンやマフィンを片手にコーヒーを飲む地元の人達の姿が、素朴なバークレイの風景に溶け込み、ショーケースにジュエリーのような飾り付けをした各種ケーキが並ぶお昼前くらいからは、次第にスイーツを求める客足が増えていきます。

イタリア人の両親を持つオーナーパティスリーのポールさんは、ボストン育ち。ニューヨークのカルナリースクール(CIA)を卒業後、フランスのLeNorte, スイスのシュガースクールを経て、ボストンを中心に各地のリッツカールトンホテルでパティスリーを務めました。その間もヨーロッパに何度も出かけ独自のお菓子作りのセンスを磨いたそう。しかしそんな最前線に居たポールさんの夢は意外にも小さなお店を持つということでした。そして1997年、バークレイの町に可愛いケーキショップを開店したのです。

この店のケーキはフレンチとイタリアンがコラボしたヨーロピアンスタイル。ローカルのフル-ツ、アーモンド、ナッツをたっぷり使い、フレンチのフルーツピューレやベルギーチョコレートなどを組み合わせたバランスの良い上品な味わいです。一般のアメリカンスイーツと違い、‘リッチなのに、しつこくない、甘すぎない“ 味の秘密は上質なクリーム。このクリームが、昔ながらの手作りによる伝統的なヨーロピアンテイストを引き出しています。 

とりわけ、人気のオペラのしっとりした高級感、ガトーショコラ、各種タルトのサクサクした生地などは本場もの。その他、滑らかなムースとスポンジ、クリームチーズをアレンジしたケーキが季節変わりで並びます。例えば夏はマンゴムース、フルーツパッションムース、チョコレートムースケーキ、そして冬はアメリカでは珍しく栗を使ったモンブラン風ケーキ、オレンジとチョコレートムースケーキといった具合で、ポールさんのケーキ作りのフィロソフィーを体験することができます。また、流行中のマカロンも大人気で、ストロベリー、ゆず、チョコレートのマカロンは、濃厚なフルーツとクリームが程よい甘さに仕上がり、サクサク、モッチリした食感が味わえます。その色も鮮やかでお土産にも最適です。

ポールさんの作り出す繊細な味は、サンフランシスコでも探すのは難しいほど。ちなみに、彼のウェディングケーキも高い定評を得ています。その美しいデザインは、色鮮やかな孔雀をデザインしたゴージャスなものからお店のロゴの水玉模様をイメージしたメルヘンチックなものまで、夢を与えるものばかり。技術も去ることながら、ポールさんの仕事に向き合う姿勢が、クオリティーを一層高めているようです。
(左)ストロベリーケーキ(右)リコタチーズケーキ

(左)メルヘンチックなストロベリーケーキはイチゴがタップリでゴールデンスポンジケーキのドライ感とバニラババロアのしっとり感がイチゴの良い。
(右)リコタチーズケーキ イタリアンスタイルのリコタを使った、あっさり食べやすいケーキ。トップのグアバグレイズとの相性が良く、サクサクしたサブレクラストがリコタを引き立てる。香ばしいアーモンドがアクセント。パートナーに。


パッションフルーツ トルテ

パッションフルーツ トルテ  大人気のケーキ。デコレーションも美しいが、中身のパッションフルーツムースとホワイトチョコレートムースとゴールデンスポンジは最高の相性。


季節感溢れるケーキはデコレーションも美しい。

季節感溢れるケーキはデコレーションも美しい。オリジナルの水玉のロゴは色々なケーキを飾っている。


オーナーパティスリーのポールさん

オーナーパティスリーのポールさんはマジメな職人だが人柄が温かい。


店舗詳細

名称:Masse's Pastries Berkeley, CA
住所:CA1469 Shattuck Ave Berkeley, CA 94709 U.S.A
電話:(510) 649-1004
関根絵里

関根絵里(せきねえり):グルメ、トラベルライター&フォトグラファー/コーディネーター

サンフランシスコ在住。生まれつきのスイーツ大好き人間。
96年からの海外生活で世界のスイーツリポートに挑戦中。
現在はアメリカのフード新聞、マガジン、日本のトラベル、フードマガジンなどに執筆中。
ご意見、ご感想は:elligo@gmail.comまで。


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